市況概要
世界の株式市場は、現在進行中の銀行セクターの苦境と政府当局による救済策を投資家が評価し、まちまちの動きとなりました。米国では、連邦準備制度理事会(FRB)が苦境にある地方銀行を支援するために現金融資を約束したことから、S&P500とナスダック100はそれぞれ1%と6%反発しましたが、ダウ30は-0.3%の下落にとどまりました。一方、金融はスイスの大手投資銀行クレディ・スイスからの悪影響の懸念から-6%の暴落を記録しました。
日本では、日経平均株価は円高の進行を受け、一時27,000円を割り込み、-3%近く下落しました。アジアでは、中国人民銀行(PBOC)が景気浮揚のために銀行の預金準備率を予想外に引き下げたため、ハンセンは1%上昇しました。一方、米国の地方銀行危機がクレディ・スイスをはじめとする欧州の銀行にも波及し、STOXX600は約4%下落し、欧州株は今年最悪の週となりました。
為替市場では、今週のFOMCを前に、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締め政策が減速するとの見方から、米ドルが後退しました。特に、債券利回りが急落する中、米ドル/円は-2%沈み、NZドル/米ドルと豪ドル/米ドルは2%程度反発しました。商品先物では、原油が-12%以上暴落し、2021年後半以来の安値となりましたが、金は安全資産への流入により5%急騰しました。一方、暗号通貨も銀行危機が続く中、セーフヘイブンフローの恩恵を受け、BTCは20%以上急騰し、2022年半ば以来初めて27,000ドルを超える水準で取引されています。