市況概要

世界の株式市場は先週、南アフリカで発見された新型コロナウイルスの新たな変異株の影響で大きく下落しました。S&P 500とDow 30は休日の薄商いの中で2%前後の下落となり、Nasdaq 100と小型株指数のRussell 2000はそれぞれ-3%、-4%とさらに大きな下落となりました。セクター別では、技術関連がパニック的な売りに押されて-3%下落した一方で、エネルギーが原油価格の暴落にもかかわらず週間で1.6%上昇するなど、意外にもポジティブな結果となりました。
日本では、日経平均株価が3%以上下落し、選挙後の上昇分をすべて帳消しにしてしまいました。日経先物の米国での終値が28,000円強であることから、今週はさらなる下落が予想されます。アジアの他の地域では、ハンセンも3%下落し、前年同期の最安値を更新しました。一方、欧州では、新型コロナウイルスのオミクロン株がすでに欧州にも広がっているとの懸念から、STOXX600指数で4.5%の大幅な下落となり、欧州株はさらに悪化しました。
為替市場では、リスクオフの流れの中で商品通貨が最も悪いパフォーマンスを示し、特にNZDとAUDは対米ドルでそれぞれ2.6%、1.5%下落しました。円は安全資産としてのフローを受けて全面的に上昇し、米ドルに対して0.6%の上昇となりました。商品分野では、原油が10%以上も下落し、3か月ぶりに1バレル70ドルを下回って引けたことが注目されました。一方、BTCは5万4,000ドル、ETCは4,000ドルを目指して下落するなど、暗号通貨もリスク市場の流れに沿って下落しました。